第20回定例セミナーを開催しました。

北九州市立大学
地域戦略研究所アジア地域連携部門
中華ビジネス研究センター合同セミナー

 

第20回定例セミナー

 

テーマ:老人福祉事業再生の挑戦 〜創生会グループの実績と東アジア連携戦略

講 師:社会福祉法人創生会経営企画部長 阿部 哲也

コメンテーター:基盤教育センター准教授、地域戦略研究所兼任所員 坂本 毅启

日  時:2021年3月13日 14:30~17:00

会  場:北九州市小倉北区 每日西部会館  5F

 

 講演者の阿部哲也さんは社会福祉法人創生会グループ法人本部経営企画部長を務めており、これまではデーケア、有料老人ホームの管理運営、介護施設全体のマーケティング、新事業の立ち上げなどを担ってこられ、現在は創生会グループの買収事業の継承と再建を中心に担当しておられる。

 講演ではまず、創生会グループの既存介護事業、新規事業、買収・再建事業などからなる事業構成を示した上、主要事業のビジネスモデルの構造を紹介した。具体的な事例をあげながら、事業買収から管理運営の引き継ぎ、収益構造の改善、従業員の意識改革、長期的な事業ビジョンの樹立などに関わる一連の取り組みを丁寧に説明した。

 それから、グループのオーストラリアや中国などにおける海外事業展開を紹介した。特に北京師範大学の「中国公益研究院」との共同研修事業の展開、浙江金成グループとの合弁事業の立ち上げ・日本から駐在員派遣による介護看護技術研修指導など(舟山プロジェクト(中国))を中心に現地の映像を使いながら説明した。最後に目下取り組んでいる山口県萩市の買収ホテルの老人ホーム改造プロジェクト(日本)を地方行政、地域からの支援を取り付けて進められているモデルケースとして取り上げた。

 北九州市立大学基盤教育センター准教授、地域戦略研究所所員の坂本毅啓先生がコメンテーターを務め、九州圏内20数箇所の介護事業を視察した経験から、創生会によるサービスネットワークの全国展開、優れたイノベーション能力と高品質な介護管理サービスを高く評価した。

 特に介護業界としては介護サービス対象者だけでなく、その家族の事情にも目を配り、地域社会と協力しながら家族を支えていくことの大切さを指摘した。創生会の管理運営の姿勢が受益者目線になっており、業務目標と業務サービスの対象に関する位置づけが明確で、経営者も現場を熟知しているからこそ、現場マッチングの良い制度ができてきた。

 最後の質疑応答では、創生会の中国業務、萩市プロジェクト、介護保険、IoT技術導入などに関する沢山の質問が投げかけられ、阿部部長さんはとても丁寧に答えた。

 セミナーは、北九州市立大学地域戦略研究所アジア地域連携部門長、大学院社会システム研究科長の八百啓介先生が主催者代表として開会の挨拶をし、最後に中華ビジネス研究センター長王効平先生が締め括りの挨拶をした。コロナの中にも関わらず、沢山の参加者の参加を得て、セミナーは円満に終了した。

八百啓介先生による開会のご挨拶

阿部哲也講師の講演風景(1)

阿部哲也講師の講演風景(2)

坂本毅啓先生によるコメント(1)

坂本毅啓先生によるコメント(2)

王 効平先生による閉会のご挨拶