新春特別セミナー2023を開催しました。
北九州市立大学
中華ビジネス研究センター
新春特別セミナー2023
テーマ:東アジア企業の持続発展と国際戦略的提携
日 時:2023年3月15日 13:30-18:30
開催方法:オンライン開催(Teamsウェビナー)
2023年3月15日、新春特別セミナー2023がオンラインにて開催された。北九州市立大学中華ビジネス研究センター主催のこの国際セミナーシリーズは今回7回目を迎え、昨今の新型コロナウィルス感染症対策のため、Teamsを活用した三回目の遠隔専門家会議となった。
本セミナーは日本と海外から学術界を代表する交流先の学者や専門家9名が加わるパネリスト計11名、前半と後半の二セッションに分けてプレゼンと総合討議をおこなった。開会の代表挨拶は本学松尾太加志学長、モデレーターは中国人民大学中国民営企業研究センター張培麗教授(第一セッション)と本センター彭立君研究員(第二セッション)が務めた。
本セミナーでは、コロナ禍の拡散、ウクライナ・ロシア衝突、米中競争の激化による消費低迷、インフレの高進、グローバルサプライチェーンの断裂が深刻化し、反グローバリズム勢力のうごめきが世界経済に大きな衝撃を与えている中、東アジア地域はどのようにかつての地域産業間協力の成功経験を活かし、高付加価値を獲得するべく新たなWin-Win関係を構築・維持させていくかについて検証し、更に、当地域における長寿企業の持続発展要因の探求にも関心を向け、知見を共有した。
第一セッションでは、「域内企業間の戦略的提携」をテーマに、シンガポール南洋理工大学副学長兼公共管理大学院長劉宏教授(「現代シンガポールの華人社会、経済とビジネスネットワーク」)、大阪経済大学経済学部福本智之教授(「中国の金融市場開放と外国投資家の中国証券投資動向」)、中華經濟研究院副院長兼国際経済研究所長陳信宏教授(「技術産業への地政学敵影響から台日協力関係のあり方を再考する」)、中興大学管理学院副院長兼磐石産学研究センター長林谷合教授(「台湾と日本のESG政策の比較と企業の対応策」)、中国人民大学中国民営企業研究センター張培麗教授(「消費者ニーズの変化による中小企業の方向転換・外国企業にビジネスチャンス」)が成果報告を行った。
第二セッションでは、「企業の長寿促進要因の探求」をテーマに、本センターが主導した過去の「日中長寿企業の経営比較」プロジェクトの成果を踏まえて、推進中の継続調査研究の問題意識と初期の成果の共有を狙った。中央民族大学興辺富民研究院長・兼中国人民大学中国民営企業研究センター長黃泰岩教授(「中国における民営企業発展の政策ロジックと政策体系」)、義守大學管理学院鍾喜梅教授(「長寿企業における同族企業アイデンティティ:台湾企業のケーススタディによる示唆」)、中国評論通信社副社長、中評基金会上席研究員王平教授(「宗族観念を中国本土の長寿企業育成に活用可能」)らは現地企業を対象に中華圏の視覚から、港日ビジネス研究センター古田茂美代表(「日本老舗企業の国際化」)、北九州市立大学中華ビジネス研究センター長王効平教授(「東アジア長寿企業経営と比較研究の意義と挑戦」)、彭立君研究員が日本企業を対象に比較経営の視点に立って、それぞれ研究成果を披露した。
セッション毎のパネルディスカッションにおいて、モデレーター、専門家同士で高級品市場、新エネルギー自動車市場の急激な拡大を含めた中国の消費市場の将来性、そして半導体産業における各国の競合と今後の発展パターンに加えて、長寿企業と家族企業の定義、関係性、研究方法の違い、経営様式の特色について意見交換した。最後に主催側の王効平センター長が全体総括を行った。セミナーは盛況のうちに終わり、パネリストの皆様には、多大なるご満足をいただき、また、灼熱した議論が予定時間を超えるほどの盛り上がりを見せていただきました。