第19回定例セミナーを開催しました。
中華ビジネス研究センター 主催
北九州商工会議所 共催
第19回定例セミナー
テーマ:アジア・サプライチェーンの今後を占う 〜コロナの影響と中国の動向を踏まえて〜
講 師:日産トレーディング株式会社グローバル事業本部 主管 今井 昭(いまい あきら)氏
コメンテーター:野村技術士事務所 代表 野村 利則(のむら としのり)氏
開催日:2020年10月17日(土)
開催場所:小倉北区毎日西部会館 5F 5号室(北九州市小倉北区紺屋町13−1)
第19回定例セミナーは『アジア・サプライチェーンの今後を占う〜コロナーの影響と中国の動向を踏まえて』をテーマに、日産自動車の国際物流部門、部品調達統括担当、海外法人上級管理職を長く務めてこられた今井昭氏を講師としてお招きし、ご講演頂いた。
講演内容は、①日産のアジア主要生産拠点としての中国現地の産業社会構造・エネルギー政策を睨んだ自動車メーカーの取り組み、②NEV(新エネルギー車)化とAI導入の動向、③コロナーの影響を睨んだサプライチェーンの再構築の動きとその影響、の3部構成で、豊富な現場経験を踏まえたものであった。新型コロナウイルス蔓延の影響により中国への生産機能の過度集中のリスクが指摘されており、他のアジア地域への分散移転、本国回帰を促す動きが見られる状況の中、サプライヤーの育成と現地市場の維持確保との間でジレンマを抱えている現実と対応策を示すものであった。
コメンテーターの野村技術士事務所代表の野村利則氏は、マーケティング及び競争戦略視点(「4P」「3C」)よりコメント。市場規模や社会体制、通商政策、インフラ、技術集積、労働力が適地条件として重要であること。そして、NEV(新エネルギー車)化が製品特性のインテグラル型からモジュラー型への変化を促し、参入障壁を低くすること。これらを鑑みて、サプライチェーンのリスク低減策として、中国市場抜きにその適地を見出すことは難しく、また(労働集約型の)国内回帰も労働力不足の現状から困難であるとした。
ブレークタイムと質疑応答の時間においては、多数の聴講者からの鋭い質問と多様な見解を受けて、今井昭氏に丁寧にお答え頂いた。マネジメント研究科長の工藤一成が主催側代表として開会挨拶し、センター長の王効平が総括と閉会の挨拶をして、セミナーは成功裏に終えた。